植物プロフィール
スパイクラベンダーは常緑の多年草で、主に標高500〜600mの比較的低い場所で育ちます。ラテン語で「広い葉」を意味する「Latifolia」の学名を持ち、真正ラベンダーよりも大きな株に成長するのが特徴です。花茎が分岐してスパイク(穂状)に見えることから、真正ラベンダーと区別されています。
精油データ
- 学名: Lavandula latifolia, Lavandula spica
- 科名: シソ科
- 抽出部位: 花の咲いた先端部分
- 抽出方法: 水蒸気蒸留法
- 産地: フランス、スペイン、イタリア
- 香りの系統: ハーバル・カンファー調
- ノート: トップ〜ミドル
- 香りの強さ: 中
- 主な芳香成分: リナロール、1,8-シネオール、ボルネオール、α-ピネン、カンファー、β-カリオフィレン
特徴と効果
スパイクラベンダーは、真正ラベンダーよりも刺激的でシャープなカンファー(樟脳)のような香りが特徴です。この香りは、ストレスを和らげ、呼吸を楽にする作用があり、風邪や咳、気管支炎などの呼吸器系のトラブルに役立ちます。また、皮膚の再生効果にも優れており、傷ややけどの回復、虫刺されにも用いられます。さらに、鎮痛作用も高く、月経痛や筋肉痛、リウマチの痛みの緩和にも効果的です。
精油の作用と使い方
- 心への作用: 不安や緊張を和らげ、リラックス効果をもたらします。
- 体への作用: 去痰作用があり、しつこい咳や痰を改善。また、風邪の初期症状や頭痛の緩和に蒸気吸入がおすすめです。
- 肌への作用: 傷ややけどの手当てに効果的で、肌の再生をサポートします。ニキビや虫刺されの症状緩和にも。
使い方のおすすめ
- 蒸気吸入: 咳や痰がからむときに、熱湯に数滴垂らして蒸気を吸入すると速やかに効果が現れます。
- マッサージオイル: 月経痛や筋肉痛の際に、キャリアオイルで希釈したスパイクラベンダーを患部に塗布しマッサージします。
- 虫除けスプレー: 防虫効果があり、屋外活動時のスプレーとしても活用できます。
ブレンド相性
スパイクラベンダーは、シトラス系、ハーバル系、レジン系の精油と相性が良く、ローズマリー、タイム(CTリナロール)、ユーカリなどとブレンドすることで、呼吸器系への効果が増します。特に風邪の予防や改善の芳香浴に効果的です。
注意事項
スパイクラベンダーにはケトン類(ボルネオン)が含まれており、てんかんの既往がある人や妊婦、乳幼児への使用は避けるのが望ましいです。また、過敏な体質の人は少量ずつ使用し、異常が見られた場合は使用を中止してください。
スパイクラベンダーは、シャープな香りと優れた抗ウイルス、抗菌作用で、風邪や皮膚のトラブルに効果的な精油です。