もくじ
マンダリンの歴史・くらしとの関わり
中国で「高僧」指導者」の意味
マンダリンという名前は、サンスクリットの「指導者」という意味の言葉が語源です。中国ではくらいの高い僧侶(高僧)を指す言葉でしたが、清の時代に高級官僚たちが皇帝への忠誠や尊敬を表すためにマンダリンの果実を献上していたことから、やがて高級官僚のことを「マンダリン」と呼ぶようになりました。
食品の香り付け・香水の原料にも活用
マンダリンは近縁種に「タンジェリン」がありますが、そちらよりも芳香性に優れていると言われています。その香り高さは精油だけでなく、リキュールやアイスクリームなど、食品の香り付けとしても人気で多用されています。なかでもイタリア産から採れるものが特に品質が良いと言われており、香水の原料としてもよく用いられています。
またマンダリンは中国南部が原産で、19世紀の初頭にヨーロッパに広がり、アメリカには19世紀中頃にイタリアから持ち込まれました。ヨーロッパの果実は大きく楕円形ですが、アメリカや中国では小ぶりで球形の果実が育ちます。
マンダリン精油の特徴
グリーンとレッドの2種類
マンダリン精油は、収穫の時期によってグリーンとレッドの2種類に分けられます。
グリーンは成熟度が浅い果実で、フレッシュな香りが印象的です。一方のレッドは成熟した香りが特徴的で、光毒性の危険性がほぼないのも特徴です。
マンダリン精油の基本情報
精油データ
名前 | マンダリン |
学名 | Citrus reticulata |
科名 | ミカン科 |
おもな産地 | ブラジル、スペイン、イタリア、アメリカ、中国、中東など |
抽出方法 | 圧搾法 |
抽出部位 | 果皮 |
精油の色 | オレンジまたはグリーン |
香りの系統 | シトラス系(柑橘系) |
ノート(揮発度) | トップ~ミドルノート |
香りの強さ | 中~強 |
香りの特徴・ブレンド相性
香りの特徴
フルーティーで甘みのある香りです。オレンジスイートより落ち着きがありデリケートな香りです。
よく知られている香りなので、一部のハーブ系精油など、作用は必要なのに香りが苦手で扱いにくい精油にブレンドエンハンサーとして使用すると、使いやすいブレンドになります。
相性の良い精油
シトラス、フローラル、レジン、ハーバル、ウッディ、スパイス系の精油と調和し、ほとんどすべての精油と相性が良いです。
特にカモミール、グレープフルーツ、ネロリ、パルマローザ、マージョラム・スイート、ライム、ラベンダー、レモン、ローズなどとの相性が良いです。
マンダリン精油の作用・注意点
心への作用
- 気持ちを明るくする
- キーワード:前向き、リフレッシュ、気分を盛り上げる、社交的になる、元気づける
- 不安を取り除き、和らげる
- キーワード:抑うつ状態の緩和、不安を抑える、リラックス
柑橘系の多くの香りと同じく、気持ちを明るくする効果と不安やうつ状態を緩和する2方向の作用があります。
体への作用
- 消化器系の強化
- 食欲増進作用
- 肝臓の強化
- 消化促進作用
- 腸内ガスの緩和
- 便秘解消
- 代謝活性化作用
- 月経前緊張(PMS)の緩和
肌への作用
- 皮膚をなめらかに整える
注意点
- 光毒性あり (グリーン。レッドかグリーンか不明の精油も多いので注意)
- 刺激性があるため、低濃度で使用する。
- 妊娠初期・分娩前後の使用は控える。妊娠後期、授乳期間中は半分の濃度で使用する。
おすすめの活用方法
- ルームフレグランスとして
- ピローミスト
- 芳香浴
- マスクにスプレーして