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精油事典

クロモジの効果効能・精油の特徴・おすすめの使い方

クロモジの植物・精油情報

クロモジの植物情報

名前クロモジ
学名Lindera umbellata
科名クスノキ科
おもな産地日本、台湾。
日本では伊豆をはじめ全国で栽培されており、産地などにより香りが大きく異なる。
植物の特徴樹高3〜5mほどの落葉低木で北海道南部から九州まで生育しており、春に黄色の美しい花の房をつけます。緑がかった樹皮に黒い斑点があります。
クロモジの植物情報

植物のストーリー

クロモジは、緑の枝に黒い斑点があり、その様子が文字のように見えることから「黒文字(クロモジ)」と呼ばれます。

木部は柔軟で折れにくく、楊枝の原料として使われました。江戸時代にはこのクロモジで作られた楊枝が流行し、役者がくわえる様子が浮世絵に描かれました。その中で「さるや」は現在も残っている唯一の楊枝屋です。また日本建築の生垣にも使われており、例えば茶室の前にはクロモジの生け垣を作り香りの演出に一役買っています。

また、クロモジは、「ウショウ」という名の生薬で薬用酒の原料にも使われています。神経を落ち着かせたり、咳を鎮めたりするとして、薬酒などにも配合されています。

クロモジの精油情報

抽出方法水蒸気蒸留法
抽出部位花の咲いた先端部分、葉
精油の色淡い黄色
香りの強さ中〜強
ノート(揮発度)ミドルノート
香りの特徴リナロールを多く含むため、ローズウッド様のやさしい香りがする。
深い森林の香りとフローラルが融合した幻想的な香り。
香りの系統ウッド系(樹木系)
キーワード和の香り、優しさ、深み、瞑想
クロモジの精油情報表

主な成分と効能

リナロール(~53%)、1,8-シネオール、リモネン、α-ピネン、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、カルボン、カンフェン、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール、ネロリドール、リナロールオキシド、エレメン

神経強壮、不安、不眠、鎮静、鎮痙、肩こり、アンチエイジング、皮膚再生、肌あれ、咳、強壮、免疫刺激、抗ウイルス、抗菌、抗真菌

クロモジ精油の特徴

クロモジは明治時代のころから精油に近いものが作られており、「黒文字油」と呼ばれて石鹸などの香料として利用されてきました。その後精油づくりは一度途絶えてしまったのですが、約20年前に復活したそうです。今では日本中の多くの精油の生産者が、クロモジの精油を取り扱っています。

原料となる木が成長するのが遅く大量に生産できないため、希少価値の高い精油です。

また、枝だけから作られた精油や葉だけ、その両方を混ぜたもの、産地など、条件によって香りが大きく変わります。クロモジの精油を購入するときは、できれば実際に香りを試してから購入しましょう。

香りの特徴・イメージ

豊かな森林を思わせる深い香りで、居心地の良い空間を演出してくれます。

孤独や悲しみを感じる時や、自分の時間と居場所を確保したいときに、心を静かに落ち着けてくれる精油です。他人の影響にとらわれることなく、自分だけの豊かで神聖な時間のすごし方に気づかせてくれるでしょう。

おすすめの利用シーン

あわただしい毎日で自分の時間とペースが保てないと感じる時や、人間関係・人付き合いなどに疲れてしまったときに。クロモジの香りをかぎながら、ゆっくりと自分の内側と向き合って落ち着きを取りもどしましょう。

芳香浴やデコルテのマッサージがおすすめです。

相性の良い精油

シトラス、フローラル、ハーバル、ウッディ、レジン、スパイス系の精油と広く調和します。

香りのバランスはとりやすいですが、特にメイチャン、レモン、ブラックペッパー、ローズマリー、ラベンダー、コリアンダー、カルダモン、エレミ、ベイローレル、ローズオットーなどと好相性です。

クロモジの使用上の注意・禁忌

  • 刺激性があるため、低濃度での使用がおすすめ。
  • 妊娠中・授乳中は使用を避ける。

クロモジの心・体・肌への作用

心への作用

  1. イライラを鎮め、リラックスさせる。
  2. 不安や緊張をやさしくほぐし、心地よさと安心感をもたらす。
  3. 悲しみや落ち込みを癒す

体への作用

  1. 痛みをやわらげる。
  2. 筋肉のこりをほぐす。
  3. 肩こりや腰痛の緩和:全身浴(入浴)がおすすめ
  4. 呼吸器系(咳など):蒸気吸入がおすすめ

肌への作用

  1. 炎症(あせも、虫刺されなど)を和らげる
  2. 保湿作用

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