サイプレス精油の特徴まとめ
精油の特徴
「死と再生」というキーワードが特徴的な精油です。
スーッとする森林系の香りですが、ユーカリなど1.8シネオールを多く含む精油と比べると刺激はが弱く使いやすい香りなので、森林浴の香りで疲れを癒やしたい時に活用するとよいでしょう。
主な効果
最も特徴的なのは優れた収れん作用です。また皮膚への刺激が弱く、むくみを流す作用に優れるので、美容目的に特に有効です。皮脂を抑えたり抗菌作用もあるので、フェイシャルスチームなどに利用するとよいでしょう。
エストロゲン様作用もあるので、更年期障害や月経不順など女性のお悩みにも有効です。
詳しく解説:サイプレスの植物・精油情報
サイプレスの植物情報
名前 | サイプレス |
学名 | Cupressus sempervirens |
科名 | ヒノキ科 |
おもな産地 | フランス、スペイン、イタリア、インド、ドイツ、フランス、モロッコ |
植物の特徴
和名は糸杉(いとすぎ)で、イタリア糸杉とも呼ばれます。。常緑の針葉樹で丈が高く、25m〜35mにも達します。
またサイプレスは腐敗しにくい特性を持ち、建築や造船などの建材として広く用いられているほか、あまり横に広がらずまっすぐに成長する独特の形が特徴で、南フランスでは寺院で観賞樹として植えられていたり、南ヨーロッパでは庭園などの観賞用として親しまれています。またゴッホの名画「糸杉と星の見える道」などにも登場します。
植物のストーリー
地中海に浮かぶ「キプロス島」ではサイプレスを崇拝しており、島の名前「キプロス(Cypros)」は、このサイプレスから名付けられたといわれています。また、この島には樹齢1000年以上のサイプレスがあります。
また、学名の"sempervirens"は「永遠に生きる」という意味を持ちます。また、キリストが磔にされた十字架がサイプレスで作られていたという伝説があったり、ヨーロッパでは墓地の周辺に植えられたりお葬式の際に焚かれるなど、「死と復活」に深い関わりを持ちます。
この木は冥界の神プルートの象徴ともされ、イスラム教やキリスト教の墓地や葬式で用いられ、そのイメージは現代にも続いています。ゾロアスター教では燃える火のように見えることから聖なる存在とされ、十字架や宮殿の柱、ファラオの棺にも使用されました。、その永遠の緑という特性が学名にも反映されています。
サイプレスの精油情報
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
抽出部位 | 葉 |
精油の色 | 淡い黄色 |
香りの強さ | 中程度 |
ノート(揮発度) | ミドルノート |
香りの系統 | ウッド系(樹木系) |
キーワード | 死と再生、変容、安定感、重心が下がる、なぐさめ |
主な成分と効能
αピネン(~55%)、-3-カレン(~25%)、セドロール、α-テルピノレン、α-セドレン-カジネン、マノオール、アビエノール、センペルビロール、リモネン、ミルセン
エストロゲン様、強壮、抗菌、収れん、静脈強壮、神経強壮、制汗、鎮痙、鎮静、咳、痔、静脈瘤、更年期、頭痛
相性の良い精油
シトラス、フローラル、ハーバル、ウッディ、スパイス系の精油と調和します。
特にグレープフルーツ、レモン、フランキンセンス、サンダルウッド、ラベンダー、アンブレット、シスタス、ベンゾインなどと相性が良いです。
使用上の注意・効能
使用上の注意点
- 妊娠中は使用を避ける。
- エストロゲンにより助長される障害(乳腺症や子宮筋腫など)がある場合は注意する。
心への作用
- 怒りや興奮を穏やかに鎮静させ、気持ちを安定させる
- 精神を浄化し落ち着ける
- 気持ちを引き締める
- 冷静な判断を下す
- 頭脳を明晰にする
- 心の中に滞っているモヤモヤやわだかまりを解放する
体への作用
- 過剰な体液の収斂作用(特に多月経、むくみ)
- むくみの改善(利尿作用、血管収縮作用)
- 女性ホルモンの調整作用(特に月経前緊張症、更年期障害)
- 咳や気管支系の不調の改善
- 強心作用
- 止血作用
- 殺菌作用
肌への作用
- 水分調節作用
- 脂性肌やニキビ肌の殺菌浄化作用
- 汗を抑え、ニキビ肌や脂性肌をととのえる