クラリセージの植物・精油情報
クラリセージの植物情報
名前 | クラリセージ |
学名 | Salvias clarea |
科名 | シソ科 |
おもな産地 | フランス、モロッコ、ロシア、イタリア、ハンガリー、ブルガリアなど |
植物の特徴 | 多年草で160cmくらいの背丈に育ちます。花は2cmで白、ピンク、ライラック、ブルーなどの淡く美しいグラデーションに咲きます。 ヨーロッパ原産のセージの一種で、プロバンス地方に自生しています。 |
植物のストーリー
古代ギリシャのテオフラストスやディオスコリデスの文献にも効用が紹介されている、歴史の古い植物です。
クラリセージの名前の語源は「明るい」「清浄な」を意味するラテン語の「クラルス」です。種子を水につけるとまわりがゼリー状になるため、それを目のごみ取りに使い、目を清浄にしたことに由来しています。
クラリセージの精油情報
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
抽出部位 | 花の咲いた先端部分、葉 |
精油の色 | 淡い黄色 |
香りの強さ | 中〜強 |
ノート(揮発度) | ミドルノート |
香りの特徴 | アンバーとマスカットの香り |
香りの系統 | ハーブ系 |
キーワード | 幸福感、酩酊 |
主な成分と効能
酢酸リナリル(~67%)、リナロール、ゲルマクレンD、スクラレオールβ-カリオフィレン、酢酸シトロネリル、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル、α-テルピネオール、ゲラニオール、1,8-シネオール、リナロールオキシド、カリオフィレンオキシド
疲労、肩こり、アンチエイジング、ヘアケア、血圧降下、抗炎症、制汗作用、抗てんかん、抗不安、ストレス、緊張、抑うつ、不眠、神経強壮、血圧降下作用、鎮痙、鎮静、鎮痛作用(頭痛・偏頭痛、月経痛)、通経、子宮強壮作用、エストロゲン様作用、女性ホルモンの調整作用(月経不順、月経前緊張症など)、更年期症状、催淫作用
特に女性のお悩みの改善を期待する場合、効果を発揮するのは「スクラレオール」という成分ですが、この成分はは高分子のため品質の劣る精油にはあまり含まれません。5%以上の含有が望ましいです。
クラリセージ精油の特徴
クラリセージ精油は、喜びや幸福感、官能的なバランス、心を落ち着ける優しさをもたらす精油です。また瞑想に使用すると、感性を研ぎ澄ませる神聖な感覚を感じる事ができます。
一方で軽い酩酊状態を引き起こし、幸福感を高める効果があります。この香りは心身をリラックスさせながらも感覚を研ぎ澄ませ、気分の落ち込みに対処し、直感を刺激して明晰性を回復させるサポートをしてくれます。瞑想を通じて生きる使命や目的につながりたい人にはインスピレーションをもたらす助けとなり、神経を消耗しがちな人にも安定感と幸福感をもたらすのでおすすめです。
血圧を下げる作用によって少し酔ったような感覚になる人もいるので、車の運転や集中したい時には使わないようにしましょう。
香りの特徴・イメージ
クラリセージはマスカットに似た香りを持つ精油で、香水や香料の原料として広く使用されています。
ドイツでは、良質なラインワインに特有のマスカット調の香りを再現するためにエルダーフラワーとクラリセージが使われており、「マスカットセージ」とも呼ばれます。またビールのホップの代用としても使われているのですが、クラリセージには酔いを回しやすくする作用があるため、ホップを使ったビールよりも酔いやすいビールになると言われています。
クラリセージの甘く温かい香りは喜びや幸福感をもたらし、現実の世界から離れたような心地よさをもたらします。一方で、瞑想時には感性が研ぎ澄まされる神聖な感覚をもたらします。
おすすめの利用シーン
神経の疲れや不安で心が混乱している時や、気分の浮き沈みや落ち込みが激しい時に、アロマバスをゆったりと楽しみましょう。(※低血圧の人は注意してください)
また、エストロゲン様作用で婦人科系のトラブル改善にも役立つ精油なので、トリートメントオイルにもおすすめです。
相性の良い精油
シトラス、フローラル、レジン、ハーバルウッディ、スパイス系の精油と広く調和します。
クラリセージの使用上の注意・禁忌
- 妊娠中、エストロゲンにより悪化する症状(子宮筋腫、乳腺炎など)がある人は使用しない。
- 鎮静作用が強いので運転前の使用を避ける。
- アルコールとの併用は悪酔いや頭痛を招く可能性があるので注意する。
- 酔うような強い鎮静作用がある精油なので、少量で使用する。
クラリセージの心・体・肌への作用
心への作用
- 緊張や不安で疲労した神経をほぐす。
- パニック状態に陥ったとき、 平静心に戻す。
- 軽いトランス状態に導き、心をゆるめ高揚させる
- 心がほぐれていくような幸福感を感じさせる
体への作用
- 月経不順、更年期障害など女性ホルモンの分泌に関連する症状に
- 血行を促して体を温める。
※エストロゲンの多い状態で悪化する症状を持つ場合が禁忌です。使いすぎにも注意が必要です。また月経が重い場合は一時的に悪化する可能性があります。
肌への作用
- 髪の成長促進
- 皮脂バランス調整
- 頭皮のフケの改善
- 皮膚再生作用